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市原刑務所の視察研修を行いました
2025-08-26
刑期4年未満の比較的量刑の軽度な交通事犯によって収監された受刑者達が日々を過ごしている市原刑務所を、交通事故の撲滅を目的として視察研修させていただいた。
こちらの施設は定員500名とのことだが、案内をしてくださった刑務官の話によると、ここ数年は100名程度の受刑者数であり、収看率20%程度で推移しているとのことであった。
その分全体的にゆとりをもって運用をされているようであったが、広大な運動場で運動会を行うときは人数が少な過ぎてもの寂しさを感じるなどどいう裏話も聞けた。かといって、もちろん収監者が増えることを期待している訳ではないと思うが、なぜ収監者が減っているのかと問うてみたところ、昨今の車両に搭載されている安全性能の向上により重大事故の発生件数が減少していることも一因との回答であったため、少なくとも施策として収監者を制限している訳ではないという事がわかった。
市原刑務所の特徴としては、所謂刑務所特有の高い塀がなく、敷地をぐるりとフェンスで覆われているだけの『開放的施設』と呼ばれる作りであること。
また、入所から『新入時教育班→錬成班→新任班→出所時教育班』と段階を経て開放度が増していくこと、教え込むのではなく入所者個人個人に自ら気付かせるよう仕向け、自主性を重んじる方針であることなどから、この様な作りであっても脱走者はほぼゼロとのこと。
施設内を見学させていただいた際に見た限りでは20代から60代70代くらいの方まで収監されているようであったが、施設内の独歩が許可されていたり、食堂ではアンケート結果を踏まえて某FMラジオが流されていたり、土日祝日が作業のない余暇時間とされていることや、希望に応じてビジネススキル向上に向けた訓練を受けられ資格取得も目指せること、外部作業として、民間事業者の事業場へ派遣され実務に携わることを許されている受刑者もいる(刑務官による送り迎えおよび昼食付き)など、かなり好待遇かつ社会復帰どころかスキルアップも目指せる施設であると感じられた。
しかしながら、作業前後での掛け声や挨拶、求められる規則正しさなどは一般的に想像される刑務所そのもの。配布された『贖いの日々』に掲載された受刑者達の手記には身につまされる思いであったし、前述の刑務官の言葉とおり車両性能の向上により死亡事故は減少しているものの、死傷者数は反面増加傾向である、つまり、被害者が死亡に至らないだけで交通事故自体が減っている訳ではないという現実も踏まえ、我々運送事業者は交通事故撲滅に向けてより一層の従業員教育や設備投資を行い、一件でも多く、悲惨な交通事故を撲滅できるよう尽力していかなければならないと誓いを新たにしたところである。
今般、我々の視察の意向を快く受け入れてくださった市原刑務所の皆さま、また、参加者の移動に際しご協力のうえ差し入れまで頂戴しましたミヨシトラベル様に感謝の意を表しますとともに、事故撲滅に向け、今後益々ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。
